食べものと健康 2
面白い話があります。
食文化史研究家の永山久夫氏が指摘していることだが、歴史の事例を見ると、人が、特に武門の者が薄味を好み始めるのは、滅亡の兆候だといいます。
永山氏は『手作り薬酒・薬液健康法』(日束瞥院)の中で、平家が連日、高級料理でパーティを開いたことを例に挙げ、
「贅沢な食事をしていた平家一族は、いざ源氏の襲来、とあってもすでに戦いに耐えうるだけの精神力をうしなってしまっていたのも無理はない。
戦場では、粗食にたえてかけまわらなければなりません。
これだけのメニューを食べるには、ひとつひとつの料理はごく薄味に仕立ててあったはずだが、その薄味感覚で戦場食を作ったのでは、激しく戦いぬくだけの塩分はとれない。
薄味は、あくまでも平時の食生活であることを忘れてしまっていたのでしょう。
筋肉も軟弱化していたにちがいない」と述べています。